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FGF-2担持アパタイトによる頭蓋骨形成術の開発応用

研究課題

産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験

研究代表者

鶴嶋 英夫  産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門

研究期間 (年度) 2005
概要脳外科領域では頭蓋骨を切り抜き、骨に孔を開けて脳内を手術している。従って手術終了時に切り抜いた骨を戻す必要があるが、この時切り抜いた骨片は糸で元の骨に縛り付けるか、金属の小さいプレートで元の骨に固定している。しかし糸による骨片の固定ではやがて糸が切れてしまったリ、金属による固定でも長期的には金属疲労でプレートが破損したりして骨片が固定できなくなることがしばしばある。理想的には糸や金属による固定が取れる前に元の骨と骨片の間に骨新生が起き、骨片が元の頭蓋骨に癒合することである。しかし実際には高齢者も増加しているため骨新生が不十分な症例も多数観られ、また成長期にある小児、少年期の患者ではgrowing skull fractureという医学的現象があり、骨癒合不全が起やすい状況もある。骨癒合が起きなかった骨片は組織内で吸収されてしまうことが多く、美容形成的にもまた脳の保護の上でも問題がある。骨同士は接触していないと骨癒合がおきないので元の骨と骨片のスペース(現在はドリルで頭蓋骨を切るため切りかすの分だけ必ずスペースが空いてしまう)にアパタイトの人工骨を挿入して骨を癒合させる方法がおこなわれているが、これは骨新生を促進しているわけではないので根本的な解決にはなっていない。本研究では現在頭蓋骨形成術に用いられているアパタイト医療材料に実験的に骨形成促進作用が確認されている生理活性蛋白質であるfibroblast growth factor-2(FGF-2)をcoatingして、骨癒合部位で徐放的にFGF-2を放出させることにより骨癒合を促進させて治療しようとするものである。

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JSTプロジェクトデータベース掲載開始日: 2016-04-26   JSTプロジェクトデータベース最終更新日: 2025-03-26  

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