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新規耐熱性DNAポリメラーゼDの実用化研究

研究課題

産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験

研究代表者

松井 郁夫  産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センターつくば機能構造解析チーム

研究期間 (年度) 2005
概要従来酵素としてファミリーA,Bに属する耐熱性DNAポリメラーゼが市販化され、遺伝子増幅反応(PCR)や塩基配列決定等に頻用されている。しかしその複製できる領域は短く、数10kbが上限である。また、合成速度も30b/secと遅い。一方、超好熱性古細菌は至適生育温度(100°C)で30分で細胞数が倍化すると報告されている。超好熱菌のゲノム複製装置(DNAレプリカーゼ)のDNA合成速度は2000b/sec以上であり、従来酵素(耐熱性PolB)の試験管内DNA合成速度の約70倍である。したがって、耐熱性DNAレプリカーゼがPCR等に応用されれば、短時間で数MbのDNA複製も可能と考えられる。我々は超好菌から、ファミリーDに属し、DNAレプリカーゼ本体と考えられる新規DNAポリメラーゼ(PolD)を見い出し、その機能・構造解析を進めてきた。遺伝子組み換え法で生産されたPolD酵素は予想された通り、複製因子に依存して、きわめて高いDNA鎖伸長活性(DNA合成活性)を示した。また、PolDヘテロオリゴマー野生型分子および欠失分子等の生化学的機能解析の結果、高塩濃度下(0.3M以上の食塩濃度)でも高いDNA合成能を保持している欠失変異酵素を発見した。―方、既存のDNAポリメラーゼは鋳型DNAの認識にイオン結合等の相互作用を用いるため、高塩濃度下ではDNA合成能は低く、高塩濃度下での遺伝子増幅反応には不向きである。そこで、本研究提案では、当該PolD欠失変異体をさらに改良し、高塩濃度下でも数100kbのDNA領域を短時間で複製できる新規耐熱性DNAポリメラーゼPolDの実用化を目指す。

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JSTプロジェクトデータベース掲載開始日: 2016-04-26   JSTプロジェクトデータベース最終更新日: 2025-03-26  

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