概要 | 人工心臓や心臓ペースメーカー等の体内埋込型医療機器の駆動は,内蔵電池による駆動の他に体外より非侵襲的に電力を供給する手法が研究されている.その中で一部実用化されている手法に電磁界エネルギー変換による経皮トランス方式があげられる.経皮トランスは大電力を体内に供給できるが,供給部位が皮膚から5mm 未満に限られるため,生体深部に設置された機器の駆動にはリード線を用いる必要がある.リード線の使用は断線による腐食等が懸念されるため,生体深部に直接給電するシステムが必要となる.そこで,申請者は高エネルギー積を持つ希土類永久磁石を用いた磁気カップリングにより,生体深部への直接給電方法を考案した.本手法は永久磁石の引力・斥力を利用した磁気カップリングにより体外の回転力を体内に非接触で伝達し,その運動エネルギーにより体内の発電機を駆動し,電力を得るものである.
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