魚の未利用部(あら・皮・頭・うろこ)を利用した高齢者用ゲル状食品“煮こごり”の実用化に向けて
研究代表者 |
長尾 慶子 東京家政大学, 家政学部栄養学科, 家政学部 教授
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 新鮮な魚を加熱したあとの煮汁が冷えて固まった食べ物である“煮こごり”は昔からの日本の伝統料理として、高齢者になじみ深い食べ物である。近年、病院では咀嚼困難者や嚥下障害者を対象とした、ソフト食の需要が高まり、高齢者の生活の質向上に役立つ食品の開発が重要な課題となっている。一般に加工残渣として廃棄されている頭、皮、骨等の魚のあら部分はカルシウムやコラーゲンも多く含まれるため、これらの食品の利用は栄養的にも意義がある。そこで、本研究では高齢者等を対象とした嚥下用食品として上記未利用部分からゲル状食品煮こごりを製品化するための基礎的な研究を行う。申請者は魚介類や鶏肉を試料とした“煮こごり”が、テクスチャーや栄養・健康機能面から嚥下・咀嚼用として優れていることを既に明らかにした。そこで、日本の資源・環境面に配慮した魚の未利用部を使用し、一般流通ルートに乗れるような簡便・安定性、且つ嗜好性に優れた“煮こごり”の製品化を考えている。既に、釧路の(株)カネセフーズからは鮭の頭および内臓試料の提供協力が得られている。
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