虚血ー再灌流早期のエネルギー産生を意図した乳幼児・新生児のための心筋保護法の確立
研究代表者 |
竹内 功 国立成育医療センター, 心臓血管外科
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | 乳児・新生児に対する開心術は近年比較的安全に行えるようになったが、関心術中の心筋保護法などいまだにいくつかの問題がある。特に体外循環が長時間に及ぶ場合術後の心機能回復が不十分で予後を規定する因子となる。乳児・新生児では心筋のエネルギー基質が成人と異なりグルコースに大きく依存している。しかもチアノーゼ・肥大心といった特殊な病態ではグルコース代謝に強く依存することとなる。また、開心術中に起こる虚血再灌流早期には十分な好気性代謝が行えないためやはりグルコース依存となる。このようにグルコース代謝に強く依存した乳児・新生児心筋では円滑なグルコース代謝を考慮した心筋保護が重要である。申請者らが開発した心筋保護液は血液の特性を十分生かし、緩衝作用による解糖系の抑制因子を除去し嫌気下においてもエネルギー産生が可能な心筋保護液で血液と一緒に併用することでよりよい心筋保護が得られると考えられる。本研究により安全な心筋保護法の確立を目指すものである。
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