研究代表者 |
大谷 浩樹 首都大学東京, 東京健康福祉学部
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | ホジキンリンパ腫は、小児、20歳代、60歳代に発症のピークを持つ。放射線治療で高い治癒率が期待できるが、治療後5年から20年以降の晩発性障害の発現がとりわけ小児、若年層において重要な課題である。ホジキンリンパ腫に対する放射線治療として、マントル照射および逆Y型照射をあわせた全リンパ節照射が行われる。本研究では人体各部位において線量測定を正確に行い、高精度に線量分布を正確に評価することにより治療成績向上を図ることを目的とする。 このため、吸収線量算出のための基準点を決定し重要臓器の遮蔽率を明らかにする。また、小児への放射線治療における成長障害を防止する目的で、全リンパ節照射時の関節部の防護を効率的に実施することを検討する。全リンパ節照射を実施している施設においては、分割して照射するいわゆる「つなぎ照射」を実施することになり、つなぎ部分の過剰照射が問題となる。線量決定を正確に評価し、適正線量を選択することにより過剰な線量投与を避けることができる。 このような吸収線量および線量比を明らかにすることは、重要臓器の保護および放射線障害を抑えることに有効である。この研究成果により全リンパ節照射における線量分布評価の指標が明らかにされ、不均質組織に対する線量比算出の標準化が可能となる。
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