Toll様受容体シグナル分子を用いた次世代遺伝子ワクチンの開発
研究代表者 |
武下 文彦 横浜市立大学, 医学部
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | DNAワクチンはその安全性、取扱の簡便性及び低コストの面から次世代のワクチンとして注目されている。しかしながらその効果は十分とは言えず、更なる改良が必要である。従来、ワクチンの効果を増強させるため様々なアジュバントが開発、検討されてきた。現在動物実験レベルで汎用されているフロイントアジュバント、エンドトキシン誘導体、細菌ゲノムDNA等は細菌の菌体成分を用いたもので、生体に有毒であることが示されている。最近、これら菌体成分によるアジュバント作用は、Toll-like receptor(TLR)を介して、生体の自然免疫反応を活性化し、抗原提示活性の増強及びサイトカイン・ケモカインを誘導することで獲得免疫の活性化を促していることが判明した。そこで、有害な菌体成分を用いずに、局所で効率よく自然免疫を活性化し獲得免疫の誘導を図るため、TLRのシグナル伝達に関わる因子を遺伝子アジュバントとして利用し、より安全で有効なワクチン開発の研究を行う。
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