DNAディスプレイによる受容体の効率的なリガンド探索技術の開発
研究代表者 |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | (1)応募課題の概要【背景】既存医薬品の約半数は受容体を標的として結合し作用する。ヒトゲノム解読により多くの新規受容体の配列が明らかになり、ゲノム創薬の重要なターゲットとして注目されている。天然リガンドが未知のオーファン受容体や疾患に関与する受容体のリガンド探索は、多くの製薬会社やバイオベンチャーが取り組んでいる重要なテーマであるが、従来の探索法には限界があり、効率のよい代替技術の開発が求められている。【目的】本応募課題の目的は、研究代表者が独自に開発したDNAディスプレイ技術を用いて、ランダムペプチドライブラリーの中から、細胞表面の受容体に結合するペプチドリガンドをin vitroで効率よくスクリーニングできる系を確立し、ゲノム創薬のための有用な手法を提供することである。【内容】DNAディスプレイとは、DNAライブラリーから無細胞転写・翻訳系で合成したペプチドライブラリー(表現型)を、それぞれのアミノ酸配列をコードする鋳型DNA(遺伝子型)と連結した「遺伝子型と表現型の対応づけ分子」ライブラリーを構築する技術である。この中から、受容体や抗体などの標的分子と結合するペプチド配列を含む対応づけ分子を釣り上げた後、そのDNA部分をPCRで増幅し塩基配列を解読することにより、釣り上げたペプチド配列を簡便に同定することができる。本試験研究では、この技術を用いて、高血圧に関わるアンジオテンシン?受容体をプロトタイプとして、天然リガンドであるアンジオテンシン?の結合を阻害する人工リガンドをスクリーニングし、実験系のテスト評価を行なう。
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