研究代表者 |
山本 潤一 長野県工業技術総合センター, 材料技術部門金属材料チーム
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | ○ 熱電材料は熱と電気を相互に変換できる半導体であり、タービン等複雑な機械要素やメンテナンスを要さずに廃熱等を利用して発電できる方法として注目されている。現在実用化されている材料にはBi-Te系半導体があるが、素材に毒性があり、かつ、熱電性能の温度特性から200°C程度までしか使えないという欠点があった。 ○ これに対しβ-FeSi2熱電素子は、Bi-Te系半導体に比べて熱電性能的には劣るものの、原材料とする鉄とケイ素は地核に大量に存在し安価に入手できるうえ毒性が無いことから環境に優しいうえ、800°Cまでの高温で使用できることからボイラーや自動車マフラー等の廃熱を用いた発電に適用できる可能性がある。しかし、製造工程が複雑で高コストなことから未だ研究段階であり、実用化されていない。 ○ 長野県工業技術総合センターでは、これまでの研究において、β-FeSi2熱電素子をメカニカルアロイング(MA、機械的合金作成法)と放電プラズマ焼結法(SPS)を組み合わせた効率的なプロセスで作製することに成功した。 〇 本研究は、これまでに開発したMA/SPSプロセスにおいて、SPSの焼結時間や、U型・W型素子の作製工程を再検討し効率的な作製手法を開発するとともに、これらを組み合わせて熱発電モジュールを試作して性能を検証することにより、環境に優しく高温に適用できるβ-FeSi2熱発電モジュールを実用化につなげることを目的とする。
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