研究代表者 |
仁井見 英樹 富山大学, 付属病院, 助手
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 敗血症は重篤な全身感染症で、確定診断には血液中の起因微生物の検出が必須である。近年、医療の高度化に伴い敗血症発症のリスクが増えており、適切な抗菌薬を選択し患者を救命するためには、血液中の起因菌を可能な限り迅速に検出・同定することが臨床上重要である。しかし、現在の検出法では血液培養ボトルの提出から起因菌の同定までに少なくとも18 時間はかかるため、結果が判明するまでの間は経験に基づく治療(empiric therapy)を施行せざるを得なく、盲目的に抗菌薬の選択を余儀なくされていることが臨床的現状である。本研究システムは、血液検体から抽出した微生物DNAを鋳型とし、細菌(MRSA含む)・真菌に特異的な7つのプライマーのセットを用いてリアルタイムPCRを行い、次いで、起因菌に特異的なTm値の組み合わせを解析することで、感染症に関与する起因菌の全てに対して迅速な検出・同定を可能とする方法である。本システムの構築により、起因菌を2時間以内に同定するシステム構築が可能となり、敗血症の早期治療が実現する。
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