研究代表者 |
秋田 純一 金沢大学, 大学院自然科学研究科(応用系「工」)電子情報科学専攻情報システム講座, 講師
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 本研究は、電磁シールド効果を持つ導電性素材を右図のように表裏の2面に用いた衣服を多数の筋電位センサへの電力供給に用い、また計測データの収集を無線通信で行うことで、筋電位センサに至るケーブルを不要とする多点同時計測が可能な筋電位計測システムの開発を行う。本システムは、次の3つの特長を備える。1. 衣服自体を筋電位センサへの電源供給に用いるため、筋電位センサへのケーブルが不要であり、筋電位センサの設置数や配置位置の自由度が極めて高い。2. 従来の筋電位計測システムでは、外来ノイズ除去用のフィルタ回路による位相のずれのために筋電位の多点同時観測は不可能であるが、本システムでは、着用する導電性素材が電磁シールド効果をもつためにこのようなフィルタ回路が不要となり、筋電位の多点同時計測が可能となる。3. 衣服上の多数の筋電位センサからの計測データは、赤外線通信や微弱無線通信などの小信号無線通信によって同じく衣服上にあるデータ収集装置に収集することで、導電性衣服上で電源と信号を重畳する方式で問題となるノイズ発生を抑えることができる。筋電位の継続的な多点同時計測は、健康管理や新しいユーザインタフェースとしての活用が期待されているが、実際には多数の皮膚電極などのセンサの装着や多数のケーブルのために、応用分野も制約されている。本研究はこれらの問題の根本的な解決を図り、筋電位計測の応用分野の大幅な拡大を図るものである。
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