概要 | 近年,内分泌撹乱物質(いわゆる環境ホルモン)をはじめとする多くの化学物質の環境中での顕在化が大きな社会問題となっている。これら化学物質の中には生化学的な分解を受けにくいものが多く,また水環境中での長期的な残存が懸念されている。これらの有害化学物質の効果的な分解処理方法としてラジカル反応を活用する方法が効果的と考えられる。われわれは水中で光触媒として知られている二酸化チタン微粒子に超音波を照射すると,極めて高濃度のヒドロキシルラジカル(OHラジカル)が生成する事を見出し,光触媒・超音波照射法による有害化学物質の分解処理及びレジオネラなど有害微生物の殺菌作用について検討を行っている(特開2003-267914,特開2003-026406)。この技術は従来の光触媒反応と比較して,水相中への超音波浸透距離が大きい等多くの利点を有しており,画期的な新技術へと発展する可能性がある。
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