研究代表者 |
大竹 尚登 名古屋大学, 工学研究科, 助教授
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 機械の摩擦摩耗で失われるエネルギーは全世界で年間数十兆円にのぼると言われている。環境調和型社会の必要性が叫ばれている中、この摩擦摩耗を低減することが重要であることは論を待たない。ダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)膜は、多くの材料に対してμ=0.2 以下の低い摩擦係数を示し、かつ耐摩耗性に優れていることから、機械・工具の表面処理皮膜として加速度的に応用が展開してきているが、現状のDLC膜では主にアブレーション摩耗と凝着により2GPa程度の面圧に耐えられない問題がある。そこで本研究は、申請者らの開発した「セグメント構造DLC膜」を発展させ、具体的には従来の連続膜に対して碁盤の目の構造を有するDLC膜を形成し(セグメント構造)、さらにこの溝部に潤滑油を導入することにより、極めて高い耐摩耗性を有するDLC膜を開発するユニークな研究である。既に基礎的試験で摩耗が改善されること、及びその原因がアブレシブ摩耗の低減であることが確認できており、自動車部品や機械部品、工具等、摺動部を有する幅広い用途への適用が期待される。
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