ソルボサーマル法による高性能可視光応答型光触媒材料の開発
研究代表者 |
岩本 伸司 京都大学, 大学院工学研究科, 助手
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 光触媒は太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する環境にやさしい技術として注目され、特に酸化チタンは、安価で、化学的に安定かつ無害、そして高機能であるため、最も実用性の高い光触媒材料である。しかし、通常の酸化チタンはバンドギャップが3.2 eV であり、従って波長が380nm以下の紫外線を照射しないと光触媒作用が生じない。太陽光には約3%の紫外線が含まれ、屋外では光触媒効果が認められるが、十分な日照が得られない地域や室内では効果は十分でなく、高性能な光触媒の開発が求められている。本研究は、有機溶媒中でのオートクレーブ処理という新規な方法(ソルボサーマル法)を用い、可視光でも光触媒作用を示す新規な光触媒材料の開発を目指すものである。ソルボサーマル法を用いるとヘテロ元素をアナタース構造中に高濃度安定に取り込むことができ、従来法では得られない特徴的な材料の設計が可能である。本研究は、主成分である酸化チタンに、安価・安全な成分を修飾剤として添加し、高機能化を図るものであり、防汚・抗菌作用をもつ建築材料や日用品など広範囲の製品に適用でき、実用化の可能性は高いと考えられる。
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