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内部ひずみ状態制御による次世代超伝導線材の強磁場マグネット応用における電磁機械特性の最適化

研究課題

産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験

研究代表者

菅野 未知央  京都大学, 大学院工学研究科, 助手

研究期間 (年度) 2006
概要YBa2Cu3O7+.(YBCO)コーテッドコンダクターは、金属基板上に二軸配向した超伝導膜を形成することにより、磁場中でも高い超伝導臨界電流を維持できることから、次世代の超伝導線材として現在世界各国で盛んに開発が進められている。また、このような優れた特性を活かして強磁場超伝導マグネットへの応用が期待されている。マグネット応用において超伝導線材は励磁時のローレンツ力を始め様々な応力/ひずみ場にさらされる。したがって、超伝導線材の力学特性の確保は実用上重要な技術用件である。特に、YBCO などRE123 系の超伝導体では、酸化物超伝導膜の破断ひずみ以下でも、弾性ひずみ量により臨界電流が可逆的に変化する真性ひずみ効果が存在し、ある負荷ひずみで特性が最適となることが報告されている。したがって、超伝導体の内部ひずみを制御することにより超伝導特性と力学特性を同時に最適化できる可能性がある。以上のような背景を踏まえて、YBCO コーテッドコンダクターをマグネット応用する際に超伝導内のひずみを制御する方法について提案する。申請者の過去の研究により、超伝導体内のひずみがゼロになるところで臨界電流が最大になることが示唆されており、また圧縮ひずみ下では最適値からずれるがその変化は引張ひずみ側よりも緩やかであることが明らかになっている。一方、電磁力は常に超伝導体に対し引張応力として作用する。これらの背景から、巻線時に超伝導体に圧縮ひずみが負荷される線材構造が最適であると考えられる。これにより、引張ひずみに対するマージンを大きくでき、かつ電磁力が印加された状態で超伝導体内部のひずみがゼロになるように設計することにより、実使用環境において最適な特性を発揮できることが期待できるからである。このような線材設計について最も単純で、よって実用可能性の高い方策を提案する。

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JSTプロジェクトデータベース掲載開始日: 2016-04-26   JSTプロジェクトデータベース最終更新日: 2025-03-26  

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