研究代表者 |
三浦 典正 鳥取大学, 医学部病態解析医学講座薬物治療学分野
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | 本研究は、患者の血清中から疾病の原因遺伝子の活動性を高感度に検出して行う病態診断法に関わるものである。血液を利用する診断には、原因遺伝子の活動の結果として発現するマーカー蛋白を抗体で検出する方法が採用されているが、マーカー蛋白は、癌検出などでよく知られているように検出感度面で問題があっただけでなく、新規遺伝子の臨床応用に際して、優れた抗体を作製かつ選別するなど経済的にも時間的にも問題があった。疾病原因遺伝子の活動に伴い発現するRNAは、マーカー蛋白の前駆物質であり、且つ蛋白とは異なり発現すれば24時間血液中で安定であることから、疾病の早期検索を可能にする優れたマーカーとなる筈であるが、血液を検出の対象とすればDNAの混入が問題であり、血清を対象とすればRNAが微量かつ不安定であることから検出感度の低さに問題があった。本研究は、このRNAを血清から高感度に検出する技術に関わるものであるが、本技術が完成すれば、高感度癌診断および病態早期発見などの臨床への応用に加え、リサーチツールとして、急速に開発されている遺伝子医薬の適応評価及び薬効評価判定にも適用可能であり、病院などの臨床施設のみならず研究施設での需要及び利用が期待される。
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