概要 | 高性能強誘電体は現代の小型電子機器の基幹機能の一翼を担う。強誘電体の原理は陽イオンと陰イオンというイオン核の極性な変位にある故に動作特性に特有の限界がある。申請者は電子配置という新原理に基づく強誘電体を発見した(Nature 436, 1136-1138 (2005))。この特性は強誘電体動作が格子歪みと切り離されているため,実用化すれば現行の物より1000倍以上高速で100万倍小型な強誘電体素子の実現性がある。この特性は室温で既に発現しているため,実用化に向けた潜在的な可能性が高い。本研究はこの新原理強誘電体の動作条件を確定し実用化への戦略を明確化するため,特性発現条件の精密決定と薄膜作成を行う。
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