概要 | 低迷する国産木材需要の活性化方法の一つとして,木材を難燃,不燃化処理することにより付加価値を付与することが考えられる.このように処理した木材は家屋の外壁,窓枠,ドア材としての需要が見込める.現在,木材の難燃,不燃化は,ボロン系やリン-アミン系製剤を減圧脱法→加圧注入する方法や高温・高圧による注入法が実用化されているが,結晶が大きいために浸透性が悪く,木材内の含浸率が低い,注入時に使用するエネルギーが大きい,等のためにあまり普及していない.代表研究者はこれまで,難燃,不燃化剤として高知県に豊富に存在する海洋深層水ミネラルの化合物と,シリコン化合物の併用により,常温一工程での注入や塗布だけにより,?吸熱性,?木質内での独立気泡断熱性及び,?木材表面のガラス質化による炎遮断性,の3つを併せ持つ難燃,不燃性木材ができる見通しが得られている.本研究では,これまで見出した難燃,不燃化の技術を完成させ,経済効果を有する木材としての新規用途開発と室戸海洋深層水ミネラルの有効利用に寄与することを目的としている.
|