概要 | 我々が日本電気株式会社(NEC)と共同で開発してきたHLA クラスI分子結合ペプチド予想プログラムを活用し,T 細胞誘導型の免疫標的治療を開発する.悪性腫瘍や難治性ウイルス感染症の克服には,抗原を特異的に認識する細胞傷害性T 細胞(CTL)を活性化する必要がある.そのためには,個人ごとに型の異なるヒト白血球抗原(HLA)分子の型ごとに,CTL に認識される抗原ペプチド(抗原蛋白質の分解産物,9アミノ酸長)をデザインする必要がある.また,CTL の活性化や増殖を助ける細胞群を同時に活性化する必要があり,この技術の開発は始まったばかりである.我々は観音寺市にある阪大微研会と共同で免疫賦活剤の開発を行った.平成18年度は,我々が同定した腫瘍ペプチド(高知大付属病院)およびC 型肝炎ウイルスペプチド(愛媛大・医・第3内科)に上記免疫賦活剤を加えた試験治療を開始する予定で,臨床教室と準備を進めている.
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