ジテルペノイドを用いたグイマツ雑種F1苗木判別法の開発
研究代表者 |
佐藤 真由美 北海道立林産試験場, 研究職員
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | グイマツとカラマツの種間雑種であるグイマツ雑種F1(F1)は、野ネズミや野ウサギの食害・病虫害・気象害に対する抵抗性、成長速度、材質に優れた、北海道の有望な造林樹種である。採種園においてグイマツから採取される種子には、F1とグイマツの種子が混在しており、育苗段階でF1の苗を判別する必要がある。現在は、苗の形態的特徴や季節的変化の違いから判別しているが確実ではないことから、高精度なF1苗の判別法が望まれている。申請者は、これまでにグイマツとF1の枝条樹皮におけるジテルペノイド組成により、両樹種を判別できることを見出している。樹木のジテルペノイド組成の差異を利用した樹種判別法は、迅速確実に雑種率を知ることができ、効率的なF1苗生産や新品種開発を可能にする新規な方法である。さらに、ジテルペノイドは近赤外分光(NIR)法で測定できることが示唆されていることから、簡便、迅速で低コストな判別方法の実用化が期待できる。 本研究は、NIR法を用いた簡便で高精度な判別技術の開発を目的とし、グイマツとF1の枝の樹皮と葉について、ジテルペノイド組成とその季節変動を明らかにする。これらの成分の多変量解析から、高精度なF1苗判別を可能にするジテルペノイドと苗の分析時期を選定し、F1苗判別法を確立する。
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