概要 | 予防・リハ医学的観点から,旧来の手漕ぎ式車椅子の問題点が多く指摘されている.中でも最も深刻なものは,下肢を運動させる頻度が極端に少なくなり,むしろ下肢・体幹の廃用性変化(廃用症候群)を助長させるという点である.特に高齢者の場合には,寝たきりなどの原因になりやすい.これに対して代表研究者らは,下肢障害者の脚を駆動源とする車椅子(サイクリングチェア,以下チェア)を開発してきた.これにより,日常生活における実用的な移動とリハビリを兼ねる,下肢障害者のための次世代の移動機器としての実用化を目指している.本応募課題では,これまで提案してきた駆動法に存在した問題点を解決する,新しい脚駆動法を完成させることが目的である.
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