衛星帯電抑制を狙ったマイクロエッチングによる電子エミッタアレイの試作評価試験
研究代表者 |
岩田 稔 九州工業大学, 宇宙環境技術研究センター, 助手
|
研究期間 (年度) |
2006
|
概要 | 人工衛星表面は軌道上で大きな電位差を持つようになり、これがしきい値を超えると放電が発生し、衛星機能の全損に至る可能性がある。事実、太陽電池アレイなどの電源系機器の軌道上不具合の大部分は衛星の帯電に起因するものである。簡便な手法で帯電を防止できれば、衛星の信頼性向上に大きく役立つ。衛星が負電位に帯電し、放電する前に、電子を衛星から放出することで電位を上昇させ、放電を防止するデバイスを本研究では提案し、開発する。本デバイスは、電源もガスもセンサーも一切必要とせず、衛星各部に貼り付けるだけで、衛星の帯電を解消できるところに新規性・独創性がある。既に試作品に対する性能確認試験は実施されており、衛星電位を上昇させる効果があることは確認できているので、形状・材質を最適化し、人工衛星に搭載可能なデバイスを開発できれば実用化の可能性は非常に高い。本研究では微細加工(マイクロエッチング)を用いて電子放出性能を向上させると共に、形状・材質を最適化し、開発したデバイスに衛星電位を上昇させる効果があることを実証する。
|