メソフェーズピッチを利用して新規なメソ気孔炭素の調製研究
研究代表者 |
喬 文明 九州大学, 工学研究院先導物質化学研究所 先端素子材料部門 総合理工学府 量子プロセス理工学専攻 分子材料科学, 准教授
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | メソ気孔炭素はメソ気孔シリカ等をテンプレートとして用いてフェノール系樹脂から調製されている。こうしたメソ気孔炭素は、炭化による樹脂の低収率、調製後のテンプレートの除去等の高コスト工程によってまだ実用化までいたっていない素材である。最近、こうした高価額のメソ気孔シリカに変わって、ナノ粒子のシリカ等の凝集構造をテンプレートとして利用したメソ気孔炭素の製造法が活発に研究されている。しかし、こうした粒子の凝集構造を利用したメソ気孔炭素は500m2/g以下の比較的低表面積を持ち、1000m2/g以上の高表面積が実用化の鍵となる。本申請者は、メソフェーズピッチを原料として、市販されているマグネシア系の安価なナノ粒子等のテンプレートを利用して、高収率および高表面積のメソ気孔炭素を調製することを目的にしている。メソフェーズピッチは、炭化過程のコークス化によって発泡する性質を有する。本申請者は、こうしたメソフェーズピッチの発泡によって生じる閉塞された気孔をマグネシア粒子によってチャンネルして、最終的にマグネシアを酸処理によって除去することで均一な5mm程のメソ気孔を持ちながら1000m2/g以上の表面積を有する新規高性能吸着剤の開発を目指す。
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