概要 | 炭素ナノ繊維(Carbon nanofiber,CNF)は、ナノテクノロジーを認識させた重要な対象物質であり、ナノテクノロジーに期待される高機能性発現への重要な物質である。CNFは、ナノスケールの寸法と共に多様な組織と豊富な表面端面を持っており、触媒担体又は導電性複合材としての応用が期待されている。しかし、触媒担体と複合材の充填材として使用するためには、炭素ナノ繊維自体の高分散性と、担持する触媒金属粒子の高分散及び安定性を維持することが求められる。こうした高分散特性を得るためには、CNF表面に適切な官能基の導入が要求される。CNFへの官能基の導入には、硫酸を含むスーパー酸の処理、酸化性ガスを利用した高温処理及び高分子によるペンダント化等が知られているが、CNFの構造に損傷を与えず、選択的に表面に官能基を導入する方法はまだ開発されていない。本研究では、新規の電気化学的反応を利用し、適切な官能基を効果的に導入する方法の開発を目的とする。
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