鮭皮コラーゲン線維ゲルを用いた細胞シート工学による人工皮膚の開発
研究代表者 |
棟方 正信 北海道大学, 大学院工学研究科生物機能高分子専攻再生医療工学研究室
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研究期間 (年度) |
2005
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概要 | 1)研究成果・技術の概要:鮭皮コラーゲンは変性温度が19°Cと低く再生医療用バイオマテリアルとしての用途がなかったが、線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋を導入した結果変性温度を55°Cまで上昇させるとともに線維口径70nmの均一な線維ゲル(SCゲル)を作成することに成功した。また、SCゲル上では豚、牛由来のコラーゲン(ゲル)に比べ増殖性がよいこと、細胞にダメージを与えない条件でコラーゲナーゼ消化できるという従来の獣由来コラーゲンにない優れた性質を有していた。これによりSCゲル上で培養した細胞をばらばらにすることなくシート状態で剥離することが可能となり、細胞シート工学に応用可能となった。2)鮭皮コラーゲン線維ゲル上では、細胞をシート状態で剥離・重層化できる特徴を活かし、ヒト線維芽細胞シートの重層化の条件検討を行い、さらにその上にヒト角化細胞シートを重層し人工皮膚を作成する技術を開発する。本法は細胞シート工学を用いた人工皮膚の作成としては新規であり、今後多くの細胞に適応可能と考えられ、人工角膜、人工歯根膜、人工軟骨等の再生に応用していく。
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