窒素制御による高機能コバルトクロムモリブデン合金の開発
研究代表者 |
野村 直之 岩手大学, 工学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 高度福祉社会の実現と老後における質の高い生活への要望の高まりから、事故や加齢によって失った体内の部位を人工物で代替するインプラント治療に大きな期待が寄せられている.力学的な負荷がかかる部位に対するインプラントには、機械的特性および耐食性に優れるCo-Cr 基合金が使用され、歯科・整形分野において広く利用されている.これまでに開発されたCo-Cr 基合金には、鋳造用、加工用とも1 から10%程度のNi が含まれている.NiはCoCrMo 合金のFCC 構造の安定性を高めるためにHCP への加工誘起変態を抑制し、結果として加工性を増加させる効果がある。しかし、このNi は近年人体に対するアレルギー性が指摘されており、欧州ではその使用は制限されている。したがって、このNi に代わるFCC 安定化元素を添加した新規生体用CoCrMo 合金を創製する必要がある。そこで本応募課題では人体には全く無害で、かつコストが低い窒素を添加したCoCrMo 合金の開発を提案する。
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