研究代表者 |
及川 和志 岩手県工業技術センター, 食品技術部, 専門研究員
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研究期間 (年度) |
2006
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概要 | 大手企業の市販の油が植物種子から化学薬品(有機溶媒)で抽出するのに対して、「地あぶら」は、地方特産の種子を圧搾し、その油分を濾過程度の処理で可食化したものである。一般の市販油とは異なる素朴な色調(黄褐色)と風味(焙煎香など)を有し、手作りのため加工に工夫を加えやすい強みがある。特に、伝統的に県内、東北地方で栽培されているエゴマの油については、特異的に栄養機能成分を富むことがこれまでの研究から明らかであり、生活習慣病の対策食品としても有望である。しかし、商品の差別化や品質向上に不可欠な製造技術・ノウハウが乏しく、「売れる商品」に育っていない。今回の事業では、「地あぶら」の良さである“化学薬品”を使用しない製法を基に、1より理想的な脂質栄養バランスと日持ち期間を付与する技術、2商品としての欠点である“沈殿・澱”を抑制する技術の開発を目標とする。具体的には、1複数の特産植物種子の最適配合条件とそれに対応する搾油方法の組み合わせ、2貝殻や木炭などの天然素材を用いた原因成分の除去・低減を検討する。本研究により、「健康、安全・安心」指向の売れる商品として「地あぶら」の“ブランド化”を進める。
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